島根県の2大パワースポットと言われる「美保神社」と「出雲大社」。この2つは「両参り」することでさらに御利益がアップするとも言われていますが、島根半島の両端にあるため、その移動手段は事前にチェックしておいたほうが安心です。そこでこの記事では、美保神社と出雲大社を両参りするのにおすすめの移動手段について解説します。あわせて、一緒にお参りすべきと言われている八重垣神社との「三社巡り」についても説明します。出雲方面や松江方面の観光を検討中の方はぜひチェックしてみてください。(記事公開日:2024年4月22日)
えびす様をお祭りする「美保神社」
美保神社は「三穂津姫命(みほつひめのみこと)」と「事代主神(ことしろぬしのかみ)」を御祭神とする神社です。三穂津姫命は五穀豊穣、夫婦和合、安産、子孫繁栄、歌舞音曲(音楽)の守護神として信仰されていて、美保神社という名前の由来にもなっている神様です。
また事代主神は、海上安全、大漁満足、商売繁盛、学業、歌舞音曲(音楽)の守護神として信仰されていて、商売繁盛の神様「えびす様」の名前でも親しまれています。えびす様を祀る「えびす社」は全国に3300以上ありますが、美保神社は「えびす様の総本宮」とされています。
美保神社では、毎月7日に「七日えびす祭」をおこなっています。神様との有縁の日とされていて、この日に行くと限定の「金字の御朱印」や「金色の鯛守」を受けることができます(抽選の場合あり)。漁業や商売繁盛のご利益があると言われ、地元の漁業関係者なども多く訪れる神社です。
美保神社
美保神社のアクセス情報
美保神社のアクセス情報をご紹介します。
- 住所
- 島根県松江市美保関町美保関608
- 電話番号
- 0852-73-0506
- 電車・バスでのアクセス方法
- 最寄駅はJR松江駅とJR境港駅です。
- ・松江駅から:一畑バス(万原線、美保関ターミナル行)に乗車し、終点「万原停留所」で下車。美保関コミュニティバスに乗り換え、「美保神社入口」で下車します。
- ・境港駅から:美保関コミュニティバス(境港線)に乗車し、宇井渡船場で美保関線のバスに乗り換え、「美保神社入口」で下車します。
- 車でのアクセス方法
- 高速道路を利用する場合は米子ICで下車し、国道431号線を経由して境水道大橋入口交差点で県道2号線に入ります。道路状況にもよりますが、米子ICからの所要時間は65分前後です。周辺に無料の地区駐車場が2か所あります。
地図
だいこく様をお祭りする「出雲大社」
日本三大神社の一つとも言われる出雲大社。8世紀には大きな社が建てられていたとも言われる歴史のある神社で、その名前を知らない人はいないでしょう。
「縁結びの神」「福の神」としても知られる出雲大社の主祭神は「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」。「だいこくさま」とも呼ばれる神様です。大国主大神が「天照大神(あまてらすおおみかみ)」に国を譲った際に造営された宮殿が出雲大社の始まり、とも伝えられています。
高さ8.8mもの大鳥居をはじめ、境内にはさまざまなお社があります。そのご利益を求め、毎年国内外から多くの参拝客が訪れていて、2019年には年間で600万人以上の観光客が参拝しました。
出雲大社
出雲大社のアクセス情報
出雲大社のアクセス情報をご紹介します。
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築東195
- 電話番号
- 0853-53-3100
- 電車でのアクセス方法
- 一畑電鉄「電鉄出雲市駅」から北松江線「松江しんじ湖温泉行」に乗車します。川跡駅で一畑電車・大社線「出雲大社前行」に乗り換え、出雲大社前駅で下車します。電鉄出雲市駅からの所要時間は25分前後です。
- バスでのアクセス方法
- JR出雲市駅のバスターミナル1番の乗り場から「出雲大社行き」に乗車し、「正門前」で下車します。バスの所要時間は30分前後です。
- 車でのアクセス方法
- 高速道路を利用する場合、出雲ICから国道431号経由で15分ほどかかります。参拝者用の大駐車場があり、無料で利用できますが、混雑状況によっては満車で利用できない場合があります。万社の場合は周辺の有料駐車場を利用しましょう。
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美保神社と出雲大社は両方行くべき?ご利益アップの「えびす・だいこく両参り」とは
美保神社と出雲大社はとてもゆかりの深い神社です。というのも、美保神社に祭られているえびす様は、出雲大社に祭られているだいこく様の子どもだからです。そのため、出雲大社と美保神社を「両参り」することでより良い縁が生まれる、と言われ、江戸時代から「えびす・だいこく両参り」が盛んにおこなわれていたと言われています。特に縁結びや復縁のご利益がアップすると言われていて、恋愛成就を願う人も多く訪れています。
なお、両参りをする際は、親であるだいこく様からお参りすることが推奨されています。そのため、出雲大社を参拝してから美保神社にお参りするのがおすすめです。
美保神社と出雲大社の両参り おすすめの移動手段は?
美保神社と出雲大社を両参りしたい、という方は多いでしょう。けれども、冒頭でお伝えしたようにこの2つの神社は島根半島の両端に位置しているため、事前に移動手段をチェックしておかないと、予想以上に時間がかかってしまう可能性があります。そこで、2神社を移動する際におすすめの方法をご紹介します。
車で移動する場合
出雲大社から美保神社に車で移動する際には、約1時間30分(約82㎞)ほどかかります。出雲ICから山陰自動車道を経由して松江JCTで下車。松江だんだん道路と国道431号線を利用するルートがわかりやすくおすすめです。
公共交通機関(電車・バス)を利用する場合
公共交通機関を使って移動する場合は、電車とバスを乗り換えていくことになります。ここでは、スピード重視の方法と、安さ重視の方法をそれぞれご紹介します。
スピード重視ならこの方法(乗車時間:2時間前後、料金3,350円)
- 一畑電車に乗って「出雲大社駅前」→川跡駅→電鉄出雲市駅へ(20~30分、500円)
- 徒歩でJR出雲市駅に移動し(約3分)、山陰線でJR松江駅へ(25分~45分、590円)※特急利用の場合は追加で1,290円かかります
- 松江駅から一畑バスで美保関バスターミナル/万原バスターミナルへ(40分、770円)
- 美保関コミュニティバスに乗り「美保神社前」で下車する(30分、200円)
※カッコ内の所要時間は目安であり、交通状況によって大きく変動する場合があります。また料金は2024年1月時点の大人料金です。
それぞれの所要時間は上記のカッコ内の通りですが、上記には電車やバスの待ち時間が含まれていません。必ずしもちょうどよい時間に次の電車やバスが来るとは限らないため、トータルで3時間前後はかかると考えておいたほうがよいでしょう。
安くいくならこの方法(乗車時間:2時間15分前後、料金1,720円)
- 一畑電車に乗って「出雲大社駅前」→川跡駅→松江しんじ湖温泉駅へ(60~70分、820円)
- 徒歩でバス停「国宝松江城/県庁前」に移動し(約10分)、一畑バスで美保関バスターミナル/万原バスターミナルへ(35分、700円)
- 美保関コミュニティバスに乗り「美保神社前」で下車する(30分、200円)
※カッコ内の所要時間は目安であり、交通状況によって大きく変動する場合があります。また料金は2024年1月時点の大人料金です。
ちなみに、2日間かけて他の観光スポットを周ることも検討している場合は、一畑バスの「旅PASS 2Days」(https://www.ichibata.co.jp/bus/tabipass/)を利用するとお得になる場合があります。一畑電車、一畑バス(高速バス・臨時バスを除く)、松江市交通局(レイクラインを含む、臨時バスを除く)の全区間が2日乗り放題のチケットで料金は大人3,000円、小児・大人障がい者1,500円です。なお、「縁結びパーフェクトチケット」は2023年9月で終了していますので、ご注意ください。
ここまで、車を使った場合と公共交通機関を使った場合とに分けて2つの神社の移動方法をご紹介しましたが、もっとも速いのは車での移動です。一日で両参りをしたい場合、それぞれの神社で参拝する時間を考慮すると、公共交通機関を使うプランは現実的ではありません。一日で回りたい方は車で移動するか、観光タクシーを利用しましょう。ただ、それでもかなりタイトなスケジュールになる可能性があることを頭に入れておきましょう。
また、両参りプランが含まれるツアーもありますが、2日間もしくは3日間のコースがほとんどです。他の神社や観光スポットがプランに含まれていることが多いため、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
三社巡りと八重垣神社について
ゆかりのある神社などを3つお参りすることを「三社参り」や「三社巡り」と言います。福岡県を中心に九州地方や中国地方の一部で根付く風習で、島根県の場合、出雲大社・美保神社と八重垣神社を指して「三社巡り」と言われることがあります。
八重垣神社は、素盞嗚尊(すさのをのみこと)と稲田姫命(いなだひめのみこと)をご祭神とする神社です。稲田姫命は、素盞嗚尊によって八岐大蛇(やまたのおろち)から救われ、その後、夫婦となっています。夫婦神をお祭りする八重垣神社は、夫婦円満や良縁のご利益があると言われ、縁結びの神社としても知られています。境内には「連理玉椿」「乙女椿」「子宝椿」の3つの夫婦椿があり、パワースポットとして多くの人が訪れています。また、参拝客に人気なのが、「縁占い」です。神社の裏手にある小さな森の鏡池に、硬貨を乗せた和紙を浮かべて沈むまでの時間と距離で縁を占うというものです。さらに、八重垣神社で有名なのが、稲田姫などを描いたとされる壁画です。神社界では日本最古のもと言われる貴重なもので、宝物収蔵庫に展示されています。
八重垣神社
では、八重垣神社と先にご紹介した出雲大社や美保神社はどのように関係しているのでしょうか。実は、八重垣神社のご祭神である素盞嗚尊の娘・「須勢理毘売命(すせりびめのみこと)」は、出雲大社に祭られている大国主神(だいこく様)の正妻です。また、お伝えしたように、美保神社はだいこく様の子であるえびす様が祭られているため、この三社のご祭神は親戚関係にあるということになります。さらに、三社は縁結びのご利益があることから、三社巡りをすることで、縁結びのご利益がパワーアップすると言われているのです。
八重垣神社はJR松江駅から比較的近く、アクセスしやすい場所にあります。出雲大社や美保神社をお参りする際には、ぜひ八重垣神社にも足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
八重垣神社アクセス方法
八重垣神社のアクセス情報をご紹介します。
- 住所
- 島根県松江市佐草町227
- 車でのアクセス方法
- 山陰道(松江道)松江中央ICから約6分、松江駅からは約15分です。
- バスでのアクセス方法
- JR松江駅4番バス乗り場から約20分です。
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なお、島根県では八重垣神社の他に、日御碕神社も出雲大社・美保神社とあわせて「三社」と言われることがあります。また「出雲大社・八重垣神社」と宇佐神社あるいは玉作湯神社を「三社」とするツアーが組まれていることもあります。「三社巡り」は3つの神社をお参りすることを指すもので、どれが正しい・間違っているということはありません。けれども、同じ「三社巡り」と名前の付くツアーでも参拝先が異なる可能性があります。ツアーに申し込む際には、どの神社をお参りするのか、しっかり確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、美保神社と出雲大社についてご紹介しました。ゆかりのある2つの神社は両参りすることでそのご利益がアップするとも言われています。距離は少し離れていますが、島根県を訪れた際には両参りに挑戦してみてはいかがでしょうか。また、島根県には八重垣神社などご利益のある神社が他にもたくさんあります。どんな神社があるのか、調べてまわってみると島根の旅をさらに楽しめるかもしれませんね。